日本人は5人に1人がうつ病だと言われています。その中でも女性がうつ病になる割合の方が多く、結婚や出産に伴うライフイベントや、生理前後の女性ホルモンの急変などが原因としてあげれています。女性がうつ病になりやすい原因や症状などをしっかり理解し、自分で対処できる力を身につけましょう。
目次
なぜ女性は男性よりうつ病になりやすいのか
女性が男性よりうつ病になりやすい原因は様々ですが、主に上げられる要因としては
・生理前後の女性ホルモンの急激な変動
・結婚や出産などのライフイベントによる環境の変化
の2種類です。では、細かく見ていきましょう。
女性ホルモンの急激な変化
月に一回必ず訪れる生理。生理痛や生理前のイライラなどで悩ませれる方が多くいます。些細なことでイライラしたり、気分が落ち込み泣いてしまうなどの現象は、月経前不快気分障害(PMDD)の可能性があります。
一般的には生理が終わるとともに落ち着いていきますが、エストロゲンと言われる女性ホルモンの急激な変化により、うつ病を発症してしまう可能性があります。
ライフイベントによる環境の変化
結婚や妊娠、出産などのライフイベントによる環境の変化もうつ病を発症する原因の一つです。特に妊娠・出産はホルモンバランスが崩れや肉体的な負担、育児による疲労などからうつ病になってしまうケースがあります。
転職や役職移動などの環境の変化も、自分の気づかないところで心に負担がかかっている場合もあります。特に生理前後と重なるとPMDやPMSを発症し、うつ病になってしまうことも少なくありません。
女性特有のうつ病と原因や症状
女性特有のうつ病には、上記で説明した通り
・月経前不快気分障害(PMDD)
・産前産後のうつ病
の2種類がきっかけとなりうつ病を発症するケースが多く見られます。
月経前不快気分障害(PMDD)
生理が始まる2週間前ほどからささいなことでイライラしたり急に泣き出してしまうなど、心が不安定になってしまう病気のことを指します。
<原因>
月経前不快気分障害の原因ははっきりと解明されていませんが、生理前に増加する女性ホルモン(プロゲステロン)の影響があるとされています。生理周期はもう一つの女性ホルモンである、卵胞ホルモン(エストロゲン)とのバランスが崩れるため、正常なホルモンバランスを維持できないことが原因のひとつとされています。
ホルモンバランスが崩れると、セロトニン不足になる場合があるため、気分に影響を及ぼすのではないかとも言われています。
<症状>
・些細なことでイライラする
・情緒不安定
・憂鬱状態
・不眠や異常な眠気
・自己肯定感が低くなる
などがあげられます。通常生理が終わるとともに症状もなくなっていきますが、生理が終わっても症状が続く場合や、生理中に症状が悪化した場合には病院で診察しましょう。
産前産後のうつ病
産前産後はホルモンバランスの崩れや、心身的な疲れによってうつ病になりやすいと言われています。産後うつにかかった女性の3分の1は妊娠中に症状が始まり、出産後も症状が治らないケースが多いです。
<原因>
妊娠中や出産後はストレスが溜まりやすく、産前産後のうつ病を理解、サポートしてもらえない場合が多くあります。妊娠・出産に伴う女性ホルモンの大きな変化により脳機能のストレスに対処する力が低下してしまうため、セロトニン不足となり、物事をネガティブに捉えがちとなってしまうのです。
<症状>
・極度の悲しみ
・気分の変動
・不眠や過眠
・不安発作やパニック発作
・自殺念慮
・子どもに対する関心の喪失または不合理な心配
などがあげられます。産前産後のうつ病は周囲のサポートや理解も必要となってくるため、少しでも気分や体調に変化があれば、パートナーや家族に打ち明け、理解をしてもらうためにも、一緒に産前産後うつ病について調べたり、病院の診断を受け流などしましょう。
女性のうつ病の予兆や治療
女性のうつ病に関してご説明してきましたが、一番はうつ病になってしまう前の予兆に気づくことが大事です。本人も周りの人も、うつ病の予兆を知っていれば事前に対処できることもあります。
この章では、うつ病の予兆や治療についてお話していきます。
楽しい気持ちが湧いてこない
通常自分の好きなことや、楽しみにしていることに対して楽しい気持ちが湧いてきますが、何をしていても楽しい気持ちにならない場合はうつ病の予兆の可能性があります。
自分の趣味や、好きな人と会う時でさえ楽しい気持ちが湧いてこず、慢性的に続く場合はうつ病の可能性が高いため、早めに病院で診察をしてもらいましょう。
何をするにもやる気が起きない
仕事やプライベート、家事など何事に対してもやる気が飽きない場合もうつ病の予兆である可能性があります。
期限が決まっている仕事なども、ギリギリまでやらずにラストスパートで作業を行う場合もありますが、期限日になってしまってもやる気が起こらなかったり、友達と会うことに対しても意欲的ではない場合も同様です。
好きなことを楽しめない
多少気分が落ち込んでいる時でも自分の好きなことをしている時は楽しい気分になりますが、好きなことをしている時でさえも気分があがらず楽しめない場合はうつ病の予兆の可能性が高いです。
うつ病の予兆の場合は、好きなことをしていても疲労感だけが残ってしまうことがあります。
睡眠がうまくとれてない
うつ病の予兆で一番多いものが睡眠が上手くとれていないことです。睡眠とうつ病には深い関係があり、不眠が続くと生活リズムや生活習慣が崩れるため、うつ病を引き起こしやすくなってしまいます。不眠が続く人は、睡眠の質をあげることや、生活習慣を見直して見ましょう。