うつ病と不安障害の併発はあり得る?パニック障害との違いや低容量ピルとの薬の併用についても解説

うつ病の症状の一つとされる極度の不安感は、不安障害という一つの障害の括りとされており、うつ病と見分けがつきにくい病気です。自分がうつ病なのか不安障害なのかを見極めるのはとても難しく、併発する場合もあります。不安障害にも様々な種類が存在し、パニック障害も不安障害の一つです。

不安障害とは

不安とは、自分に危機感を促す機能であり、脳から送られる信号によって私たちは危険や危機を回避しています。
不安障害は何らかの原因によりその信号が過敏に反応することで、危険や危機ではないものに対しても不安や恐怖を感じてしまうことを指します。

不安障害には以下の種類があります。

全般性不安障害

学校や仕事、日常生活全てにおける活動、健康などについて過度な心配や不安が続くことを指します。
些細なことにも過敏に反応し、症状が悪化すると日常生活や睡眠にも影響を及ぼします。

不安や心配は健常な人にも起こる感情ですが、不安障害の場合は理由もなく心配や不安が慢性的に(6ヶ月以上)続くことが特徴です。
不安や心配が長く続くことにより、うつ病を発症する可能性もあります。

社会不安障害

人から見られていると感じる、人前で話すことや食事をすることに以上な恐怖感を覚え、そのような社会的状況を回避しようとする病気です。

約10人に1〜2人かかるとされます。
この病気は幼少期でも見られますが、10代半ばでの発症が多く25歳以上ではあまり発症することは見られないとされています。
回避したい状況を回避できず遭遇してしまうとパニック発作を起こしてしまったり、うつ病を発症してしまう可能性もあります。

パニック障害

人は火事や地震など命に関わる危機に直面した時、パニック発作を同じような身体反応を起こします。
しかしこの病気の人は、特に理由もなくパニック発作を起こし、それが何回も繰り返されてしまいます。

パニック障害は、パニック発作から始まります。
最初はパニック発作だけですが、繰り返し発作を起こすことにより予期不安などの症状が発症します。また発作を繰り返すことでうつ病を発症する可能性もあります。

うつ病と不安障害の違いや併発について

うつ病と不安障害は高い確率で併発することがわかっています。
どちらの症状が先に起こるかは人それぞれですが、2つの症状を発症することにより、日常生活を送ることが困難となってしまう可能性が高いです。

不安障害からうつ病になるケース

前の章で説明した3つの不安障害は、どの障害からでもうつ病を発症してしまう可能性が高くあります。
不安や心配が長期的に続くと、心理的ストレスにつながるためうつ病になってしまうこともあります。

うつ病も不安障害も脳機能の低下によって起こるとされており、セロトニンやドーパミン不足が原因ではないかとされています。

パニック障害との関係

パニック発作を繰り返すことにより、、「また発作が起きてしまうのではないか」という予期不安を引き起こしてしまうことが多くあります。
予期不安を発症すると、恐怖感を拭えないだけでなく心理的にストレスが溜まってしまい、うつ病を発症してしまう可能性があります。

パニック障害と併発するうつ病は「パニック性不安うつ病」と言われています。
従来のうつ病は周囲への関心がなくなりますが、「パニック性不安うつ病」は周囲からの影響を受けやすいため、否定されたり理解してもらえないとひどく落ち込み攻撃的になる場合もあります。

うつ病と不安障害の薬は同じ?女性が気をつけるべき対処法は?

うつ病と併発しやすい不安障害ですが、同じ薬や対処法で良いのでしょうか?
特に女性の場合、低容量ピルを処方されている方はピルを飲めばPMSなどが治ると言われていますが、不安障害みもピルは効果的なのかもチェックいていきます。

現状同じ薬で処方される

うつ病・パニック障害ともにSSRI(セロトニン選択性再取り込み阻害薬)という薬が使われます。
どちらの病気も、脳内のホルモンであるセロトニン不足が原因とされるためです。

SSRIはうつ病・不安障害に対して、症状や生活の質を改善させる薬であるため、投与して1週間〜数ヶ月で症状が良くなれば効果があるとされます。
※効果が感じられなかったり、副作用(吐き気など)がある場合は医師に相談しましょう。

ホルモンバランスが急変する生理前などは注意が必要

生理前は女性ホルモンのバランスが崩れるため、気分が憂鬱になってしまったり、不安にかられることがあります。
ほとんどの場合このようなPMS症状(月経前症候群)は低容量ピルで症状が治りますが、低容量ピルを飲んでいる間にうつ病や不安障害を併発された方は、薬の併用には注意が必要です。

ほとんどの場合、SSRI(セロトニン選択性再取り込み阻害薬)であれば問題はありませんが、三環系抗うつ薬の場合は併用すると抗うつ薬の作用が強く出てしまうことがあるため、医師にしっかり相談してから処方してもらうか、薬の量を減らしましょう。

 

 

 

関連記事