生理前は情緒不安定になり急に泣き出してしまったり、気分が優れず憂鬱になってしまうことがある方は多いと思います。「生理前だから仕方がない」と思っている方は要注意。実はその症状はうつ病のサインかもしれません。女性は男性の2倍うつになりやすいと言われているため、うつ病なのか生理前の現象なのかをしっかり理解しましょう。
目次
うつ病と生理の関係性
生理前はメンタル面に出る影響が多く、うつ病のような症状を発症することも稀ではありません。
しかし日本ではうつ病や生理に関することはネガティブな感情として捉えられることが多いため、なかなか人い打ち明けたり病院に行って診察をするという行為までいかない人も多くいる現実です。
うつ病と生理の関係は深く、生理前の心身の不調は全て治療の対象となるため、自分がどのような症状を起こしやすいかをしっかり理解しておきましょう。
生理前は要注意
理由もなくイライラしたり、急に甘いものが食べたくなり、食べた後は気分が落ち込むなど。女性の8割ほどの人が経験したことのある現象ではないでしょうか?
この原因は女性ホルモンの一種であるプロゲステロンだと言われています。
排卵後の黄体期はプロゲステロンの分泌が増えるため、不快な気分になったりなどの症状が出ると言われています。
PMS(月経前症候群)
生理開始2週間前〜数日前にイライラしたり気分が落ちたりなどの心身に不調が出ることをPMS(月経前症候群)と言います。
気分の不調に加え、下腹部や乳房の張り、頭痛や倦怠感、眠気など人によって症状は様々です。
原因は女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンの分泌の低下によって、脳内ホルモンや神経伝達物質に異常を引き起こすことだと言われています。
PMSは産婦人科やレディースクリニックで症状を伝え、低容量ピルなどを処方してもらうことにより症状が緩和します。
PMDD(月経前不快気分障害)
PMSより症状がひどく現れるものをPMDD(月経前不快気分障害)と言います。
PMSの症状でも気分の変動はありますが、PMDDの場合はさらに強いメンタル面での不調が特徴です。
原因もPMSと似ていおり、女性ホルモンのプロゲステロンとエストロゲンのバランスが崩れることにより、脳内ホルモンのバランスを乱れることが原因ではないかとされています。
PMDDは低容量ピルでは症状が治りにくいため、心療内科やメンタルクリニックで診断してもらい薬を処方してもらいましょう。
低容量ピルを飲んでいてうつ病に可能性はある?
うつ病の症状と似ているPMSやPMDDですが、低容量ピルを飲んでいれば情緒が安定するとも言われています。
しかし、うつ病の薬と低容量ピルは併用しても問題はないのでしょうか?
頻度は少ないですが、低容量ピルを飲んだ後にうつ症状などの気分の変動が現れることもあります。
基本的には、生理前〜生理中の気分の変動や情緒不安定さなどのうつ症状は低容量ピルで改善することもありますが、PMDDの場合は症状がPMSよりも強く出るため、低容量ピルでは効果がない場合もあります。
また、低容量ピルは月経困難治療(生理中に起こる吐き気や頭痛、憂鬱な気分などの症状)に使われるため、うつ病の薬ではないということも理解しておきましょう。
また、低容量ピルとうつ病の薬を併用する場合は、必ず医師に相談してから飲み始めましょう。
選択性セロトニン受容体阻害薬という薬であれば併用は問題ないとされていますが、三環系抗うつ薬の場合は低容量ピルと併用することで抗うつ薬の作用が強く出てしまう場合があります。
生理とうつ病に対する対策
生理とうつ病に対して自分で対策を打つ場合、まずが休養しリラックスをして過ごすことが重要です。
生理中は何かと不安になったり、落ち込みやすいくうつ病を発症してしまうことも少なくないため、自分が一番リラックスして過ごせる方法を見つけましょう。
身体を冷やさない
生理中の注意事項として一番挙げられることですが、とにかく身体を冷やさないようにしましょう。
身体を冷やさないことは良い睡眠を取るためにも必要なことで、生理中は眠気に襲われることが多いですが、うつ病を発症している場合、睡眠が上手く取れないなどの睡眠障害を発症することもあります。
良い睡眠を取る上でも身体を冷やしてしまうと深部体温が下がらず寝付きが悪くなってしまうため、日頃から身体を温め、特になる前は身体を冷やさないよう意識しましょう。
生理期間は特にリラックスして過ごす
生理中はPMSやPMDDがひどいと、何事に対してもやる気が起きず、何もできない自分を攻めがちです。
生理期間は自分に対するネガティブな感情を持ちやすいため、好きなことをしたりして常にリラックスして過ごすことを心がけましょう。
周囲への理解も必要にとなってくるため、自分の症状をあらかじめ周りに伝えておくと良いでしょう。
ひどい場合は病院で診察を
PMSやPMDDは本人が自覚する前に、自分も周囲も「生理だから仕方がない」と考えがちですが、放っておくとうつ病を発症する可能性もあるため、少しでも辛いと感じた場合は病院で診察をしてもらいましょう。
日本はまだまだ生理に対するネガティブな発言や、言ってはいけないタブーな話とされてしまう傾向がありますが、自分のためにも早めに病院で診察を受けることを心がけましょう。